而今 そのご

ゆるゆると日々を綴っております。

夏時間の庭・・・観てきました。

          

<あらすじ>
パリ郊外の邸宅に家族が久々に集まり誕生日を祝った夏の日、母エレーヌは自分が死んだら家も画家であった大叔父ポールの美術品コレクションもすべて処分するよう長男フレデリックに遺言する。一年後、母が急逝すると、愛着ある家や遺品を手放すことをためらうフレデリックだったが、それぞれアメリカと中国に生活の拠点を移している長女アドリエンヌと次男ジェレミーの事情や、莫大な相続税という現実問題に直面する。


この映画を観たのは、10日も前のことです。
絵葉書をみるような家と庭と家族から、物語りははじまります。
映画に登場するたくさんの美術コレクションは、
オルセー美術館や個人の所蔵から借り出されたものとか・・・
それらすべてのものが、生活の中の一部になっていて
解説をされないとわからないくらいです。
されても美術にうといわたしには、きっとわからないことと・・・(^▽^;)
大叔父が所有していたすべてのコレクションや、
家を処分するようにと遺言された長男は
思い出がつまった家やコレクションを守っていきたいのだけれど
生活の場を海外に移した弟や妹は乗り気ではありません。
だけれども、莫大な相続税がかかるというので
母の遺言どうりにすべては美術館へ寄付となりました。
「思い出や秘密はわたしと共に消えていく」母の残した言葉です。
母と大叔父との思い出や秘密は、母と共に消えていった。
母と大叔父との秘めた思いを閉じ込めたまま家を守ってきた母。
そんな母と兄弟達の思い出がつまった家や庭。
出来ることならこのまま残したい・・・
そんな長男の思いが伝わります。
流れる季節と、命の終わりが現実をひきつれてきます。
そんななか・・・
ものや形でなく、確かにしっかりと残されて引き継がれていくものがあることを
ラストシーンの孫娘が予感させてくれました。
このごろのわたしは、五感に頼って思い出すことが多くなったような・・・
娘に伝わっているものがあるのだろうか・・・
いいや 伝えるものがあるのだろうか・・・とこの映画をみて思いました。

美術館に飾られたコレクションは生気を失って、ただの展示品となってしまったようでした。
花瓶は無造作に花を飾られてこその花瓶。
飾り棚もただの物置で、机の上にもあれこれ置かれておりました。
生活の中にあって、つかわれてこその輝きを放っておりました。

夏色のやわらかい光が余韻を残す映画でした。